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ごあいさつ
日本写真芸術学会は写真の表現、歴史、教育の3つを柱に平成3年設立されました。
その設立総会で、当時日本写真学会の久保走一会長の御挨拶で「両学会が車の両輪のごとく、写真のハードとソフトの両輪を担い合って将来の発展に資する努力をいたしましょう」と述べられました。しかしその後の銀塩中心からデジタル写真へと大きな変革の波が襲ってまいりました。これは写真=銀塩が念頭ににあった両学会にとって大きな試練であり、ターニングポイントと言えましょう。
写真術発明当時は、写真が写せる事が重要で、初期の写真家は科学(化学)者であり、またアーティストである事が要求されました。しかしその後の多くの科学者、技術者の努力により、誰にでも写真が撮れるようになったとは言え、まともな写真を撮るためには、それなりの修練が必要でした。そして現在では撮影の技術的不安から多くの場合解放されたと言っても過言ではないでしょう。
更に、銀塩に代わって登場してきたデジタル写真システムは、ソフトウェアの進歩、改良により、技術的な知識や修練からの完全な解放と錯覚している人も多く、このことは、この学会の柱の一つである、写真教育に大きな不安と課題を投げかけてきております。これまでの技術中心から感性中心の教育等、多くの難問が山積しております。その一方で写真教育機関でも大学院課程の充実が図られ、写真の学問体系としての確立に当学会が大きく貢献できるものと自負しております。特に大学院教育において、写真の歴史は非常に魅力のある分野であり、学会として一層力を入れる必要があると思います。
最後にこの学会の活性化と充実を図るため、会員の研究発表の場として年1度の研究発表会、年2度の学会誌・論文編と隔年ごとの学会誌・創作編を刊行しております。これは会員の投稿によって成り立っているものであります。奮ってのご投稿をお待ちしておりますと共に、写真の表現、歴史、教育について研究する新たな会員の参加をお待ちしております。